動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

福岡伸一は初めて読んだ「できそこないの男たち」を読んで、私の中で嫌いな作者に分類されたため、それ以降あえて読もうと思わなかった。ただ年末の忘年会で上司との盛り上がった話の中に登場したため、一度自分の好き嫌いはリセットして購入。
感想としては取り上げられている内容などは非常に興味深かったし面白かった。その反面どこか世間のあり方について上から目線というか、小ばかにしているような感じがするのが残念。
以下内容の書き出しや、まとめ。

  • 人の脳の回路網は刈取りと強化により、環境からの影響を受け固有性を持つ。それは生きていくために非常に重要なことではあるが、同時に脳にバイアスがかかり「錯覚」を犯す原因になる。
  • 人が知覚しているものは脳が感じているもの、人が思考しているものは脳が妄想しているもの。直感とはそのような脳によるあいまいなもの。人は世界を感じ取っているものの、実世界の科学的現象を正確に理解しているわけでなはい。勉強とは感覚と実世界が異なるものであることを理解するためのものである。