人間の思考の傾向や弱いところについて書かれた本。すでに似たような内容の本を数冊読んだと思うが、やはり著者が違えば新たな収穫というか、ためになる内容はある。やはり読書というものは奥が深い。
以下内容の書き出しや、まとめ。

  • 帰納とは直接経験したことを超える「知識の拡大」。ただし適切な帰納は「論理の飛躍」と紙一重
  • 情報の価値とは「不確定なものを、確定にすること」にある。
  • 直感は事前確率を無視する傾向にある。
  • 自分にとって都合の良い方向へバイアスがかかる。
  • 客観的な事実に基づく物理的真実性が得にくいほど、「みんながそう言っているから」という社会的真実性に、自分の意見の正しさの根拠を求める。

以前読んだ本に「正しい意見、間違った意見というものはなく、説得力のある意見が採用される」といった内容が書かれていた。答えが明確に求まる問題でなければ、物理的真実性と社会的真実性の関係性で述べられているようなことが起こるのだろう。