具体と抽象

具体と抽象

人の知性について具体と抽象という観点から述べたもの。人は無意識に抽象的な概念を学んでいるが実際にそれを意識することは少ないということに気付かされた。具体・抽象のレベルを意識することで、よりよい思考・議論ができそうな気がする。
世の中にあるHow to 本とかの内容も、こういった切り口の思考をベースに俯瞰的に眺めてみると面白いような気がする。
内容自体も具体と抽象のレベルを意識されて書かれた内容であるためか、非常にシンプルで理解しやすい。
以下内容の書き出しや、まとめ。

  • 抽象化を制する者は思考を制す
  • 具体と抽象は相対的に連続して一体となって階層的に存在する。
  • 上流工程は抽象=質が重要・シンプルがよい⇔下流工程は具体=量が重要
  • 抽象化とは特徴を抽出すること。枝葉を切り捨て幹を見ること。
  • 理学は具体→抽象による理論化。工学は抽象(理論)→具体による実践。
  • 具体→抽象→具体という思考のサイクル

「期待」の科学 悪い予感はなぜ当たるのか

「期待」の科学 悪い予感はなぜ当たるのか

この手の和訳本は非常に読みにくい。海外では実例を多く載せればわかりやすいという認識があるのかは知らないが、たいてい実例(しかも日本ではあまりなじみのなさそうな)を用いていろいろ説明するというのが、お決まりのパターンのように思う。
この本も結局寝る前読む本がないときに少しずつ読んで、最終的に読み終わるのに2か月以上かかった。読んで面白くない本は、さっさとあきらめて次に行けといった、読書術の考え方もあるが、何か引っかかるところがあるかもしれないと思うと時間かけてでも読んでしまう。
全般的にプラシーボ効果のような、人の意識・無意識での期待が及ぼす影響について書かれている。運動のパフォーマンスのためには水だけでなく糖分を口に含むことが重要というところが唯一役に立ちそうな情報ではある。

日本語の絶対語感 (だいわ文庫 E 289-2)

日本語の絶対語感 (だいわ文庫 E 289-2)

以下内容の書き出しや、まとめ。

  • ことばの習得は反復と継続
  • 「習い性となる」「習慣は第二の天性なり」
  • 素読、未知を読むベータ読み
  • 読みやすい文字とは、視線の動きと直角に交わる字画がしっかりしている文字。
  • 離れれば離れるだけ、相手を立てる、尊敬する。
  • 敬遠する。遠ざけることが敬うこと。

ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学

ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学

以前読んだ「データの見えざる手」と同様にビッグデータの活用による人間社会の減少への理解を期待したが、正直興味が惹かれる内容はほぼなかった。
付録で触れられていた速い思考・遅い思考については、人の思考についていろいろ思うところがある中で、あまり意識をしたことのない観点からの記述で、改めて考えさせられた。

怒らない 禅の作法

怒らない 禅の作法

よくある禅の考え方みたいな本を一回読んでみよう思っていたのと、最近仕事でイライラするケースが増えたので、読んでみた。

  • 時間・心に余裕を持つ
  • 多くを求めない

といったことが書かれているわけだが、仕事に関して言えば常に時間を意識するものだし、理想は高いのが普通だと思う。書かれていることには共感できる一方、現実とはそんなにたやすいものではないと感じる。

人の思考パターンについて述べたもの。切り口はタイトル通り。
以下内容の書き出しや、まとめ。

  • 2つのパターンは同時系・継時系に分類される(神経心理学
  • 同時系:思いつきで行動するタイプ
  • 継時系:考えすぎて行動できないタイプ
  • 脳が「分かった!!」となるのは1.直感、2.置き換え、3.まとめ、4.法則
  • 同時系は1. 2.が優位、継時系は3.4.が優位
  • 同時系、継時系の使い分け

ハーバードの“正しい疑問”を持つ技術 成果を上げるリーダーの習慣

ハーバードの“正しい疑問”を持つ技術 成果を上げるリーダーの習慣

結局物事をよくして行こうとすると、現状の問題が何か?その原因はなにか?という定番スタイルになる。よっていかに本質に迫る疑問を抱くことが重要かということですな。
以下内容の書き出しや、まとめ。

  • 本質に関わることに疑問を抱く
  • 学ぶのをやめたとき、人は終わる
  • 疑問を持つ習慣を持ちと思索の時間を作る